2010.06.24
「 PEUGEOT 308 GTi のある風景 」 その4
インプレッションのつづき・・・以下、少々マニアックな内容に・・・。
すでにこの車で高速を含む1,200kmほど走ったが走りのポテンシャルはどうだったか。
まず高速の直進安定性はかなりいい。
全長が4,290mmに対し、全幅が1,820mmもあり、
トレッドがかなりワイド側なのに高速の走りはとても安定している。
大げさなスポイラーが付いているわけでもないのでおそらくボディ形状が高速直進性に優れているのだろう。
実際の高速でのスピード感は感覚の速度に対してメーターの速度は1割から2割増し、
100km/hと思って走っていると110~120km/hくらいは出ているといった具合である。
このクルマでのスピード感覚に慣れてしまえば感覚速度と実速も近似してくるのだろうが
乗り始めてしばらくはスピードメーターをチェックしてないと色々とキケンである。
直進安定性に対しコーナーリングはどうか。
今まで他のプジョーには乗ったことがないので他のプジョーとは比べられないが、
プジョーの足はよく「猫足」と呼ばれているが、なるほど、なかなかいい感じである。
このクルマのオーナーも足に関しては特に絶賛していたのも理解できる。
(↑ 彼の言うことはあてにならないことの方が多いのだが・・)
メーカー純正の買ったまんまとしてはかなり高いレベルでよくできている。
高速コーナーでのコーナリング特性はニュートラルで、
セオリー通りの走り方をすれば、PIRELLI P ZERO 225/40R18のタイヤ性能も手伝って
かなりハイスピードでのコーナーリングが可能である。
そのかわりハイグリップなタイヤとワイドトレッドであるがために
限界を超えてスパーンと飛んだ時は相当な技術を持っていないとリカバリーは難しいだろう。
いっぽう日本の山岳路に多い箱根の七曲りに代表されるようなヘアピンカーブは逆に苦手である。
まず車重が重いためにブレーキングの制動距離が長くなってしまうこと、
前後重量バランスが7:3に近いフロントヘビーの為、回頭性が悪くアンダーステアが出てしまう。
アンダーステアがでても多少強引にステアしていればPIRELLI P ZEROのおかげで
オンラインにのせることはできるが、それはクルマ本来の性能ではなくタイヤに頼った走り方である。
こういう車の場合は、コーナーリングに入ってもブレーキングを残して、
リアの荷重を抜くことによってフロントをイン側に入れ、
そして早めのアクセルオンで直線にスピードをのせるような走り方がベターである。
走行性能の総合的な評価としては、このクルマのほとんどのオーナーを満足するレベルにあると思う。
乗り心地に関しても少々硬めではあるがタイヤの偏平率が40にしてはそんなにゴツゴツ感を感じることもない。
フランス車的というよりかはドイツ車的な乗り心地である。
インプレッションは続く・・・。