2013.06.18

きょうは水戸の高校へ。
3.11の震災で揺れによって校舎が壊れてしまい、
建て替えられた新しい校舎です。
あまりメディアには取り上げられていませんが、
茨城県の水戸では建物の損壊が多かったそうです。
コンクリートの柱が挫屈し、天井、壁が崩れ落ちている震災直後の写真を
校長先生に見せていただきました。
新校舎が出来上がったのは半年ほど前の2012年の12月末、
2011年3月の震災からわずか1年9ヶ月後に出来上がったことになります。
立案、計画、設計、申請、工事といういくつものプロセスを経て
作られる建築としては驚異的な早さだと思います。
一般的に学校建築の場合、
新学期の4月始まりに合わせるため3月竣工が多いですが、
校長先生は12月末の完成とすることを決められたそうです。
その理由としては
震災当時に1年生だった生徒は古い校舎で最初の1年を過ごし、
その1年の最後の3月に震災が起きて校舎が使えなくなってしまい、
翌年の2学年からは敷地内の仮設のプレハブ校舎で勉強、
翌々年の3学年になってもまだ仮設の校舎で勉強、
このまま卒業させてしまっては壊れた校舎とプレハブ校舎の想い出しか残らない、
せめてほんの短い期間であってもこの生徒たちに
新しい校舎で想い出を残して欲しいという思いから新校舎を12月末に完成させ、
残りわずかの数カ月だけだったけど、
その学年の生徒たちは新しい校舎で過ごすことができたそうです。
極端に短い工期、資材不足、人出不足という状況の中で
完成の日を迎えるまでは関係者の多大なご苦労があったようです。
そこに至るまでの経緯、完成を迎えた時の感動のエピソード、
明るくお話しされる校長先生ですが、聞く方は涙が出るお話でした。